003 あるべきよう(回顧)

ギリシア神話の中に「プロクルステスの寝台」というエピソードがあります。


プロクルステスは付近を通りかかった旅人を自分のアジトに呼び寄せては、その中のベッドに寝かしつけていました。


ベッドのサイズとそこに寝る人間の長さが同じでなければならない。


プロクルステスはこうした考えをもっていました。旅人の身体がベッドのサイズよりも長ければ、頭や足など身体の余った部分を切り落とし、短ければ、身体を叩いたり重しをつけたりして足りない部分を引き伸ばしました。


ぼくがこのエピソードを知ったのは『裏方力が人を動かす』という本でした。

裏方仕事の醍醐味について書かれた本で、著者はこのエピソードから「自分のものさしだけでなく、他人のものさしで測ること」(55頁)の大切さを伝えようとしていました。

(著者のメッセージからはそれてしまうのですが、)ぼくがまっさきに思ったのは、わたしはベッドのサイズに合わせ、自分の身体を切り落としたりしてないだろうか、ということでした。


自分の身体をベッドに合わせる。そのために身体の一部を切り落とす。

恐る恐る問いかけたとき、切り落としていない!と言い切ることはできませんでした。

とても悲しかったのを覚えています。


あなたはどうでしょうか。

ベッドのサイズに合わせ、自分の身体を切り落としてはいませんか。 


切り落としていない! 


そう言い切れなければ、いまここがターニングポイントかもしれません。

自分の身体に合わせ、ベッドのサイズを調整する。そんな人生に切り替えていきませんか。

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